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各社が熾烈な開発競争を繰り広げている緑茶飲料の販売規模は4600億円にもなる。市場で伊藤園が新たに投入したのは初めてAIを活用したデザイン。依頼を受け作成したプラグの反迫洋輔さんはAIだからできたのは背景の表現だと話した。2019年からデザインにAIを取り入れ反迫さんはイギリス企業が作った画像生成AIを使用し緑茶のパッケージを学習させた。「おいしい」「健康的」などの単語を入力しボタンを押すと様々なパッケージが作られこれを参考にして今回のパッケージをデザイナーが一から練り上げたという。反迫さんは「ある意味空気を読まない突拍子もないものも提案してくれる。刺激になり新しいものを生み出す」とした。1988年に発売したエースコックスーパーカップはボリューム感のある食べごたえで大ヒットしたが近年若者の認知度が弱まっているとして斬新なパッケージで改めて勝負に出ようという考えで反迫さんに依頼、テーマは心も満たしてくれるスーパーカップのシリーズ。通常エースコックではコンセプトづくり~パッケージ完成まで約3カ月をかけるが今回はAI使用で2日間での完成を目指す。午後2時から生成AIで作り始め約1時間で200種類以上のデザインが生成され双方が気になるものをピックアップ、午後4時にはエースコック側は退席した。翌日午後1時半に反迫さんはシンプルで文字を詰め込みすぎず優しさを表現するなどのオリジナルデザインを8種に絞られた。プラグは独自AIでパッケージの印象を点数化し最も得点が高かったのはピンク色のパッケージで案が完成となった。エースコックではこの案をブラッシュアップし来年夏に発売する計画ということ。プラグ小川社長は「圧倒的にスピードが変わる。スピードは利益なので他社より早く市場の声を形にするか今後はそこに差がついてくる」と話した。 |