パラグラフテキスト |
去年9月5日、最高気温が30℃を超える中、静岡県の認定こども園「川崎幼稚園」で、河本千奈ちゃん(3)が送迎バスに約5時間置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった。園はバスから全員が降りたかどうかの確認を怠るなど、ミスが積み重なったことを明らかにしているが、事件後の会見では増田立義元園長が「廃園になるかもしれないよね」と笑顔を見せる場面もあった。この元園長・元保育士ら計4人は、業務上過失致死の疑いで書類送検された。川崎幼稚園は、事件1ヶ月後に再開し、送迎バスは停止中となっている。この1年、園の廃園を求める千奈ちゃんの父親は「『園を廃園にする』、『主要な管理職の方々が辞職する』と私達の前で約束したのに反故にされた。怒りは事件当初よりもさらに強くなっています」と話している。事件直後、増田元園長は遺族に廃園にすると約束したが、増田元園長の息子である現理事長の増田多朗理事長は「ご遺族の悲痛な思いというのは十分理解していますが、希望者がいる以上は園の継続をしていく」と話している。千奈ちゃんの父親は「無念を晴らして千奈に報告できればなと」と話している。この事件を受け、国は園児などの送迎バスに安全装置の設置を義務化し、可能な限り6月末までに設置するよう求めてきたが、6月末時点で設置が完了した施設は約55%にとどまっているという。 |