パラグラフテキスト |
保険金の水増し請求を行っていたビッグモーター。例えばAさんが事故で契約している損害保険会社に連絡する。すると損害保険会社は修理工場としてビッグモーターを紹介。そしてビッグモーターは持ち込まれた車に傷を付け本来10万円の修理費用で済むところを20万円の水増しした保険金が支払われるようにしていた。こうした不正請求が修理件数の4割以上行われていた。損保会社(損保ジャパン)は被害者なのか?との質問に東洋経済の中村記者は「損保会社(損保ジャパン)は被害者ではなく”共犯関係”」と指摘。自賠責保険は2年で約1万7000円程度で利益が出る保険ではないが損保会社の売り上げの増収になるため損保会社では「自賠一件、血の一滴」という言葉があるほど重要なものだという。ビッグモーターは保険代理店でもあるが事故にあった車を損保会社が修理工場としてビッグモーターに紹介するとビッグモーターが損保会社に1台につき自賠責保険といって紹介実績に応じて契約数を割り振っていたという。ビッグモーターがメインで取引していたのが損保ジャパン・東京海上日動火災保険・三井住友海上火災保険。3社とも社員をビッグモーターに出向させてもいた。東京海上日動火災保険3人、三井住友海上火災保険3人、損保ジャパン37人。中村記者は「損保ジャパンは水増し請求に気付きながらも自賠責保険の契約欲しさに黙認してきたのでは」と指摘。中村記者の取材によるとビッグモーター作業員Aが「工場長から不正の指示があった」とビッグモーターに出向していた損保ジャパンの社員に伝えた。すると証言内容を損保ジャパン出向者はビッグモーター・損保ジャパンに報告したところ「この証言内容は大問題になる」と「指示はなかった」とヒアリングシートを作成。損保ジャパンの出向者は作業員Aに対してヒアリングシートに署名させて金融庁へ「不正の指示はなかった」と報告。ビッグモーターの社内メールでは不正疑惑を厳しく追求してくる東京海上日動火災保険や三井住友海上火災保険の自賠責保険の契約を停止するよう指示していた。そして自賠責保険は損保ジャパンへ集中した。福岡大学の植村教授は「有力代理店である大手の車販売会社・整備工場に対し損保会社の立場は弱い。外部の目線を入れるなどして保険金の不適切な支払いができないような工夫が必要」と指摘。 |