| パラグラフテキスト |
先月、タイで銃を持った元警察官の男が保育施設を襲撃し36人が死亡した事件からまもなく1ヶ月となる。タイに出回る銃の数は1000万丁。東南アジアで最も多いとも言われている。事件が起きたのは子どもたちの昼寝の時間帯。死亡した36人のうち、24人は2～5歳の幼児だった。その後男は自宅で妻と息子を殺害後、自殺した。事件は静かな村の空気を一変させた。事件で亡くなったクリサナポーン君（3）は陽気な性格で歌と踊りが大好きだった。両親はタイ東部の工場に出稼ぎ中のため祖父母と暮らしていた。祖父は「孫の成長が楽しみだった とても寂しい 忘れることができない」と語った。クリサコーン君（3）は事件で頭に大けが負い、九死に一生を得た。母親のワニダさんは、事件に巻き込まれ亡くなった。父親のシリチャイさんは今も息子に母の死を知らせることができずにいる。事件を受けてタイ政府は、銃の管理などの規制強化を進めると表明。住所を所持するための免許取得の際に心理テストを義務付ける他、取得後も精神状態を確認する方針などが示された。タイのプラユット首相は、今後銃や麻薬の問題解決に向けて確固たる結果を出すための行動がとれるようにする、と述べた。タイでは1000万丁もの銃が社会に出回っているとされ、人々にとって銃は身近な存在。年齢が20歳以上で犯罪歴がなく安定した収入などがあれば合法的に銃を購入可能。安いものなら約12万円ほどで入手が可能。インターネットでは違法な銃が低価格で売られている。悲劇を繰り返さないための対策が喫緊の課題となっている。 |