パラグラフテキスト |
動物園の飼育員は、動物園としては野生動物を守ろうというメッセージを発しているつもりだが、逆のパターンに捉えられてしまう可能性もあるとの悩みを話した。近年日本では犬や猫ではなく本来野生にいる動物・エキゾチックペットの人気が高まっている。去年までの5年間に日本がワシントン条約で規制された動物を輸入した量は、哺乳類で世界3位、両生類で世界2位となっている。一方こうした動物の飼育や販売目的の密輸も後を絶たない。密猟が横行すれば絶滅の可能性もある。密輸を防ぐ最後の砦である東京税関の担当者は、密輸される動物は劣悪な環境で運ばれてくるため発見時は死亡・衰弱しているということがほとんどだと話す。税関で差し押さえられた動物はどこへ行くのか。神戸どうぶつ王国で飼育されている2頭のコツメカワウソは3年前タイから密輸され、空港で差し押さえられた個体。発見時衰弱していたが、今では展示できるまでに回復した。一番いけないことはペットとして需要があるような状態にすることだと話す。コツメカワウソは凶暴で噛まれれば大怪我をする可能性もあるという。ある調査によるとエキゾチックペットについて密輸などの問題を伝えても約8割が引き続き飼いたいと回答したという。こうしたことから世話の難しさを知ってもらい、飼えないことをわかってもらうことが鍵になるとのこと。 |