| パラグラフテキスト |
156人もの人が犠牲となったソウル・梨泰院の転倒事故。要因となった1つに上げられているのが違法建築。段々と道が狭くなり、ピンクの外壁がある道幅は3.2メートル。韓国メディアはこの外壁が違法建築で本来必要な道幅4mが確保されていなかったと指摘されている。実際、事故直前に撮影された現場の映像を確認すると十分な道幅がある坂の上の方は人の流れもスムーズに。しかしピンクの外壁に近づくと道幅が狭くなかなか前に進めなくなった。また事故現場の路地に面した通りでも左右の建物がせり出し、道幅が極端に狭い場所が。地元メディアは道の両側に違法にテラスやイベントブースが作られ、現場から遠ざかろうとする人が詰まった形になったと報じている。4年前の画像と比べると以前にはなかったイベントスペースが新たに設置されていた。混雑のメカニズムに詳しい東京大学の西成教授は「途中で道幅が狭くなると人が溜まりやすく、流れにくくなる。事故の要因のひとつになった可能性は非常に高い。」と指摘している。さらにきのう韓国の警察トップは会見で事故が起きる前から梨泰院に多くの人が集まり危険だと伝える通報が相次いだにも関わらず、対応が不十分だったと明らかにした。その後警察は事故の4時間近く前から発生直前までに11件寄せられていた通報のやり取りを公開した。まず事故発生の4時間近く前の午後6時半過ぎ「人が上下から押し寄せて圧死しそうだ。人手を制御しないといけない。あまりにもぞっとする状況。」という通報があった。事故の1時間ほど前には10分間に4件の通報があった。その2分後「本当に人が死にそうだ」、さらにその5分後「圧死する危険がある。」と通報。そして事故の約1時間前「中の方で人々が圧死しそうだ。いま深刻な状態です。」との通報。そして事故発生4分前の午後10時11分には悲鳴とともに「圧死しそうだ」との訴えが記録されていた。韓国メディアは4時間近く市民が叫んでも追加の措置が取られず惨事につながったと警察の対応を批判している。 |