パラグラフテキスト |
アメリカ南部フロリダ州。太平洋沿いに広がるビーチはウミガメの産卵地として知られている。夜に行われる産卵を妨げないよう浜辺の街灯は陸側に向けられるなど、ウミガメと共存しようとする動きもある。しかしここで20年ウミガメの保護と研究を行っているワイネケン教授は、100%メスが生まれる年が増えているとの異変を明かした。ワイネケン教授によるとここ数年、卵から生まれるオスの確率は5%以下だという。アメリカ海洋大気局によると、砂の中で生まれるウミガメは摂氏27.7℃未満で孵化するとオスになり、31℃を超えるとメスになるとされている。そのため教授の研究チームは巣の温度を測定しオスとメスの比率を調査している。ワイネケン教授は20年間の調査で毎年記録的な高温のデータを見続けていると話す。巣が高温のままだとメスばかりになり、繁殖できなくなる恐れがあると指摘。また巣の温度の通常範囲は26℃から32℃だが、34℃になると発育以上が増加するという。複数の巣を調べてみると今年の孵化率は5割程度。100個の卵が全滅の巣もあった。ウミガメが生体になれるのは通常1000匹に1匹。さらに性的成熟には25~35年を要するという。ワイネケン教授は温室効果ガスを削減し環境への影響を削減することが重要だと訴えた。 |