パラグラフテキスト |
線路を敷くための盛土、岩を砕いて開いた切り通し。かつて鉄道の開通を目指した跡。先人たちの鉄道への思いに人々は惹きつけられる。栃木・茂木町から茨城県へとつなぐ全長12キロの長倉線は、昭和12年に建設工事がはじまった。しかし、太平洋戦争の影響で中断となり以後再開することはなかった。未成線となった土地は使われることもなく地元の人からもほとんど忘れ去られていた。しかし、その長倉線に目をつけ観光目的に利用することを思いついたのが茂木町役場の瀧田隆さんだった。2年前に長倉線を歩いてまわるツアーを企画したところ、口コミなどで話題となりこれまで47回述べ約900人が参加した。参加者たちはところどころに残る工事跡を地元のガイドの説明を聞きながら6キロにわたって歩く。普段は入ることが出来ないトンネルの中を通り当時の光景に思いを馳せる。このツアーをきっかけに新たなつながりが出来つつある。ツアーガイドを務める鈴木浩也さんは、ツアーに参加したことがきっかけで地域おこし協力隊の一員として茂木に移り住んだ。これまで長倉線に関わることがなかった地元の人も草刈りなどを積極的に行うようになった。このツアーは、町の韓国教会のHPから申し込むことができるという。 |