パラグラフテキスト |
2018年4月、市によると摂津市の職員が住民税の還付ミスをしてしまった。市内の男性に対し本来166万円とすべき控除額をシステムに入力するときに1668万円と一桁多く入力してしまった。なので約1500万円多く還付してしまった。約1年後、摂津市はそこに気付き謝ったうえで返還を求めた。市内の男性はそれに対し「年金生活で借金の返済や株取引の損失補填にあてたので返還が困難である」と応じず。そして弁護士も請求時点で使い切っていたので支払いはできないと答えたという。弁護士の南さんは返す義務について「銀行の口座でいうと僕の名義の口座にあるお金は僕が銀行に対して僕のお金なので出してくださいと銀行に言える債権となるのでそこの数字が大きくなったのは間違いがあったが直ちに他人のものを自分が持っているというところまでのダイレクトな他人のものとは言えない。ただそれは法律上理由がないのに自分のところに利益があったらおかしい。それが不当利得という法律のたてつきになっていて、今回でいうと摂津市は裁判で全額返しなさいという全額についての判決まで出ている。」などと説明した。2020年の8月に摂津市は男性に対し返還を求めて提訴している。それに対し大阪地裁が去年10月、全額返還を男性に命じる判決を出した。そこでは約1500万円の過還付金を受け取る法律上の原因がないことにつき悪意であるという判決だった。これについて南先生は「悪意というのは事情を知っているか知らないかという意味。不当利得というのは知らないで自分のところにお金が入ったときに本当に事情を知らなかったらそのとき残っている額やあるものを返したらいいということだが、事情を分かっているだとか、自分のものじゃないと分かっていたら全額返さないといけないし利子も付けて返すと法律ではなっていて、男性側は2018年の段階では還付の手続きをしているなかで分かってやり取りして入っている段階で全部返しなさいという判決が出たのに払ってないというところが摂津市が困っている。」などと説明した。その後男性は返還に応じていないが、2022年6月に自己破産の申請をしていて、いま手続きを進めている最中。自己破産が確定すれば原則として借金の免除や借入先から督促がこなくなるなどがありうる。南先生は「破産というのは裁判所に破産申立をするといういこと。シンプルな事案や大変という事案はすぐに出すが色々事情がある人や金額が大きい人や商売をする人の場合は裁判所は簡単にチャラとはしない。しっかり管財人というひとがついて精算もしっかり見る。まだ申込みが終わっていないということは男性がなんとしてでも払わへんぞという意気込みが強いように思う。」などと説明した。こういった自己破産の整理をしていくなかで市によると市が回収できる見込みは約550万円だという。そんななかきょう動きがあった。道義的責任を理由に市長と副市長の給与を3カ月2割減額する案を市議会に提出したという。きょう摂津市の森山市長は「刑事告発は考えたがなじまないんじゃないか。弁護士と相談し状況の交換をしたうえで刑事告訴をしなかった経緯がある」と話している。刑事告発がなじまないという意味について「刑事処罰として組み立てるのはかなり犯罪の刑法が想定している行為でないと無理筋になってしまう。今回でいうと本人は分かってて払わないと言っているが、それが犯罪と指摘される様々な行動にダイレクトに合致するわけではない難しさ。」などと説明した。市長は「もっと返してもらうことを考えているし、これを機にもっともっと返してくれる方法を探っていく。」とはしている。南先生は「破産手続きがまだ終わっていないのであれば最終的にこの人を破産手続きの中で借金をチャラにしていいのかという判決を裁判所がするので、そこに対して債権者として摂津市が意見を言っていくなど考えられるのか。」などと話した。誤った振り込みでいうと記憶に新しいのは去年4月にコロナ対策の給付金を個人に4630万円振り込んだことがあった。そのとき被告は誤った振り込みと知りながらネットカジノの決済代行業者の口座へお金を移したことがあった。これが刑事告訴され、被告に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が出ている。このケースの違いについて南先生は「質が違うと思うし田口さんについて起訴されたときも警察の起訴の内容は刑事事件としてするには無理くりじゃないかという議論もあったぐらい。田口さんの場合はその後社会的に自分が良くなかったと示した。その中で弁護士も田口さんに対して田口さんが世の中に復帰できるようなアプローチやサポートもしたと思うが、今回のケースはそもそも自分も手続きに関与しているなかで、最終的には裁判所の民事裁判に負けている。社会的な意味では田口さんと正反対の印象を私は受けた。」などと述べた。 |