パラグラフテキスト |
ウォシュレット発売から三ヶ月後に故障があったとの連絡があり、それはお湯が冷たい水に変わりそのまま冷たいままになるというものだった。温度の制御装置になんらかの異常があることを知った。そのことで大勢の社員が全国に散った。原因がわからない以上交換するしかなかったという。その深刻なトラブルに重松は寝る間も惜しんで原因を追求した。その数カ月後に故障の原因がわかったという。これは温水に使用されていたアルミ製の電熱線が原因だった。電子制御により、使用するたびにオンオフを繰り返しアルミが断線していた。そこでより耐久性の高いステンレスに変更した。その発売から約半年後には38度のお湯を出し続けるウォシュレットが誕生した。しかしヒットさせるために広告と宣伝をすることに。しかし雑誌の出版社はトイレの雑誌はのせられないとし、品位に関わると言われた。トイレは毎日の生活を清潔にするものと思っていたが当時世間のイメージは不浄なイメージがつきまとっていた。多くの人々の目に触れる雑誌やテレビなどでトイレを全面に押し出した広告をうつのは考えられない時代だった。そこで宣伝課の岩塚さんは大物コピーライターを起用することにした。その人は日本を代表するコピーライターの仲畑貴志。仲畑貴志にプレゼンを行ったが商品価値にはピンと来ないと答え、イメージが浮かばないという。しかし仲畑貴志は手についた絵の具を紙で拭き取ってほしいと言われ社員の思いを聞いた。 |