パラグラフテキスト |
きょうは三重県・志摩市の英虞湾にやってきている。あいにくの雨となり気温は23℃くらいで少し肌寒い。英虞湾は真珠の名産地として知られている。そのほとんどが養殖で行われている。三重県全体が真珠の養殖が盛ん。250軒ほど養殖業を営んでいる方がいるが、そのうちの8割が英虞湾で行われている。さらに世界で初めて真珠の養殖を成功させた場所とも知られている。天然で真珠がとれることはほとんどないそう。いま市場に出回っている真珠はすべて養殖とされてるいる。真珠ができるまでの工程としてはまず貝を大きくなるまで育てる。そのあとに「核入れ」という作業を行うが、真珠のもととなるものを入れる。これは他の貝を加工して作ったパールのような形をしていて、人の手で入れる。そのあとに海の中へ戻し育てて最後に真珠となったものを収穫する。「核入れ」のタイミングで確実に人の手が加わらないと綺麗な真珠はできないとしている。その大事な核入れ作業がいまこの時期に行われている。今回この養殖場を営んでいるのがおじいさんが養殖されてそのお孫さんがジュエリーとして販売している2人。養殖をされているおじいさんは敏弘さんと孫のななみさんが登場。敏弘さんは真珠一筋70年、御年86歳。ななみさんはミス伊勢志摩グランプリに輝き観光大使もつとめている。核入れというのは手術のようなもので、まずは麻酔をする。麻酔といっても塩化マグネシウムを溶かした水に貝をつける。こうすることによって貝がぼやーっとして口をふわあっと開いてくれる。このあとメスを入れる作業があるが、痛みにも鈍感になるという。ここに栓をさして開けた状態で固定して核入れを行っていく。核入れで入れるものは核。ミシシッピドブガイという貝を加工して丸くしたもの。それとアコヤ貝の外とう膜と呼ばれる部分を核といっしょに入れることによって核のまわりに薄い膜を作ってくれる。そうやって輝きのある真珠ができる。敏弘さんは台にアコヤ貝を取り付け、核入れをした。外とう膜と核がしっかりくっついていないと真珠ができあがらないという。この作業を敏弘さんは1日300~400個行うそう。このシーズン中に2万個以上は核入れ作業を行うという。しっかりと真珠が出来上がるのは全体の7割ほどしかないそう。 |