パラグラフテキスト |
ベトナム人による犯罪の増加について、NPO法人日越ともいき支援会の代表は技能実習生が直面する厳しい現実が要因となっていると指摘する。技能実習生として来日した人は借金を抱え入国しており、うまく働けず借金を返せないまま失踪する、借金を返すために失踪してリスクを抱えてでもお金を稼ごうということになっているという。50万円の借金を背負って来日している技能実習生、しかしコロナ禍による雇い止めや賃金の未払いが横行し、毎年5000人前後が失踪している。日越ともいき支援会ではこうした行き場を失ったベトナム人をシェルターで一時保護、帰国や新しい職探しの手助けを行っている。惣菜工場で働いていたというベトナム人女性、同僚とのトラブルで会社を辞めコインランドリーで寝泊まりしていたという。女性の在留期限はすでに過ぎており、パスポートなども持っていなかった。短期滞在のビザは取得したが、オーバーステイの過去がある場合再就職は難しく、今後は帰国する以外に選択肢がないという。技術移転を名目に安価な労働力として来日する技能実習生、しかしその多くを占めるベトナム人が失踪し犯罪に手を染める状況はこの制度の欠陥を示しているのかもしれない。 |