パラグラフテキスト |
2016年12月22日、新潟県糸魚川市で大規模火災が発生。この日吹いていた強風は消火活動にも影響を及ぼした。ホースの水が流され、火災現場まで水が届かない状態だったのだ。この火災から84年前の1932年にも、糸魚川市は大規模な火災が発生している。被災した地域は今回の火災の範囲と重なっていて、その時は368棟が全焼するという甚大な被害が出た。この火災を受け、地域では当時、さまざまな出火や防火対策を実施していた。しかし、今回の火災はこれまでの消防の想定をはるかに上回る大規模なものだった。そして、現場では水が足りないという最悪の状況が発生していた。水が積まれている消防車両もあるが、それは初期消火用の量。通常は街中にある消火栓を使用する。消火栓を消防車をホースで繋いで放水し消火にあたる。この時に使用される水は水道局の貯水施設に貯められたもの。一度にすべての消火栓を使うことは想定されていないが、今回は同時を使用せざるを得なかった。すると、手前の消火栓でほとんどの水を吸い上げることになり、奥まで水が届かなくなってしまっていた。応援要請を行った頃にはすでに30棟近くの建物が炎上。つまり、この水だけですべてを鎮火することは不可能だった。糸魚川市には大きな河川はあったが現場から距離があったため利用できず。また、近くにある海岸には多くの波消しブロックが敷き詰められていたため、ホースを入れる隙間がなく海水も利用できなかった。 |