パラグラフテキスト |
佐野さんのプロの眼テーマは「黒田総裁後の日銀は?」。黒田総裁の任期は来年4月8日と残り5か月余り。佐野さんは「雨宮副総裁と若田部副総裁の任期が3月19日なのでそれに合わせて、総裁も辞めるという話もあるが、いずれにせよ次期総裁が誰か、日銀の金融政策は変わるのかとマーケットの話題だけでなく、新聞の紙面も賑わせるのかなと思う。次の総裁に有力視されているのは雨宮・中曽の新旧副総裁。彼らが新総裁と仮定した場合、黒田総裁とともに原本緩和策を作って実行してきた両名なので、総裁となって大胆な政策変更は難しいと思っている」などと話した。一定の微調整について、佐野さんは金利のフォワードガイダンスが一部修正されると予想しているという。日銀が試算している需給ギャップがあるが、引き続きマイナス圏で未だ需要が供給を下回っている。今後のグローバルの景気の行方も懸念されているとした。また佐野さんは物価目標について、「9月の消費者物価指数コア前年比が3%の+と6か月連続でターゲットの2%を超えている。しかし、先月28日公表された日銀の展望レポートでは、政策金利の中央値の見通しが来年度、再来年度ともに1.6%の+。2%を下回る見通しになっている。加えて、代表的なエコノミスト調査は来年6月に2%割。2024年1、3月には1%下回ると予想されている。日銀は新総裁のもと、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まり、物価上昇率が強まっていくという状況を日銀は待つと思いますし、その間は長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みは変更できないと思います」と話した。 |