パラグラフテキスト |
経済的な事情で誕生日などの記念日にケーキやプレゼントを用意できずに十分に祝うことができない家庭もある。そうした過程に先月からケーキを届ける取り組みを始めた団体がある。3姉妹を1人で育てる女性。夫は2年前に脳出血のため亡くなっている。生活は一変し、育児との両立に限界を感じ正社員を辞めパートタイムの仕事に付き収入は大きく落ち込んだ。食費もフードバンクを利用するなど切り詰めている。「(子どもたちには)我慢してもらっている。親としてはケーキを用意してあげたい」などと話す。生活が苦しい家庭を支援しているNPOは、洋菓子店などと協力して先月から誕生日ケーキを無償で送る活動を始めた。このNPOが支援する家庭などにインターネットを通じて聞いたところ、「子供の誕生日に切ないと感じる」という保護者が回答者の2割に上った。募集を始めて1か月で300件の応募があり、寄付や企業の支援を受けながら多くの人に届けたいという。特別な日を祝うことで子どもの成長を実感したという人もいる。「どんな経済状況だとしてもこの子が生まれてきてくれたことがうれしい。一つずつ年齢を重ねていけることはとても喜ばしい」と話した。伊藤さんは「記念の日にはホールのケーキを買ってあげたいっていう親の気持ちは絶対ありますからね」とコメントした。活動を行うNPOは現在ケーキを届ける家庭を抽選で決めているというが、今後は少しずつ支援の対象を広げていきたいとしている。 |