パラグラフテキスト |
手綱に繋がれず自由に池の中を泳ぎ回る鵜たちは魚を見つけると水に潜り素早く捕らえる。戻ってきた鵜を引き上げると魚を吐き出した。宇治川の鵜飼は夏の夜に行われる観光イベントで夏風物詩として人気を集めている。鵜はもともとは野生のウミウで船に引き寄せるために手綱は欠かせない。8年前、鵜の飼育小屋で鵜が生んだ卵が見つかり人工ふ化でかえったひなは元気に育った。翌年以降も人工ふ化でひなが相次いで生まれこれまでに12羽が誕生しいずれも“ウッティー”と名付けられている。ウッティー達は人の手により育てられたため人懐っこく、鵜匠の沢木さんはウッティー達の特徴から放ち鵜飼ができるのではと考えるようになったそうだ。手綱を用いない手法はかつて島根県・高津川で行われていたがベテランの鵜匠が亡くなったことに伴い国内では見られなくなった。ウッティー達を使った放ち鵜飼の練習は5年前に開始、魚を飲み込まないよう首に紐をくくりつけて放ち、魚を捕まえた後戻るように名前を呼ぶが反応せず戻ろうとしない鵜もいた。沢木さんたちは鵜とのスキンシップを大切にし安心感を与え信頼関係を作っていくことを心がけたそうだ。先月22日、観客を前に初めて放ち鵜飼を披露、宇治川ではなく池で行ったがウッティーたちは次々と魚を捕まえ戻ってきた。数日前までは戻ってこなかったので心配していたそうだが「きょうはバッチリ」と沢木さんは話し、「鵜匠と鵜の絆を実際に見ていただくことでその絆というものがわかるのではないかなと思う」などと話した。放ち鵜飼は今月11日・13日にも行われる。また練習を重ねて今後は毎年春と秋に放ち鵜飼を定期的に公開していきたいとしている。 |