番組詳細


TVメタ情報 > 番組一覧 > 日付: 20240803 > エピソード: 1732676

エピソード情報

放送局 NHK総合
プログラム名 漫画家イエナガの複雑社会を超定義
エピソード名 雲がネットの救世主?クラウドで未来は晴れる?
カテゴリ 教育教養
放送時間 2024-08-03 09:45:00 〜 2024-08-03 10:00:00
WireActionデータ更新時刻 2024-08-03 10:26:58

コーナー・トピック・パラグラフ


(漫画家イエナガの複雑社会を超定義) [corner=15357375]
雲がネット社会の救世主!?クラウドで未来は晴れるの? [topic=22796683] 詳細
[ 09:45:00 - 09:48:19 ] 199秒 詳細
今回のテーマは「クラウドコンピューティング」(クラウド)。インターネットを通じて世界のどこにあるか分からない巨大な雲のようなコンピュータサーバにアクセスし、様々なデータをやりとりしたりアプリを動かしたりできる仕組みのこと。20年前に登場して以来、市場規模を拡大し続けている。
[ 09:48:19 - 09:59:50 ] 691秒 詳細
Windows95はインターネット接続機能やウェブブラウザを初めて標準搭載したOS。当時は電話回線を使うダイヤルアップ接続が主流で通信速度は遅く画像のやり取りにも時間がかかった。2000年代になると、ADSLや光回線が登場し、ブロードバンド時代の到来となり、画像のやり取りも容易になりブログやSNSが誕生した。さらに、ネット通販、ネット銀行、ネットオークションなど新しいネットビジネスも次々に登場した。しかしその裏で「ウェブスケール」という壁にぶち当たっていた。ウェブスケールとは、インターネットの普及を堺に世界のデータが質・量ともに桁違いになった状況を表している。具体的な問題点としては、増え続けるデータの保管先が足りなくなってきたというものがある。それを解決するべく2006年に登場したのが「クラウド」である。その根幹には仮想化という技術がある。仮想化とは、1つのサーバーを仮想的に分割し、複数の用途を割り振るようにできる技術のこと。仮想化されたサーバーがインターネットでつながることで、巨大サーバー群を形成し、世界中でシェアできるようになった。結果、データ容量を気にする必要がなくなった。また、クラウドは負荷状況に合わせて自動的にサーバーを増減させるオートスケールという機能や、複数のサーバーで分散してデータ処理する分散処理という機能なども備わっており、経済的メリットも大きい。クラウドを世界に浸透させたのはジェフ・ベゾス率いるAmazonである。Amazonは2000年代前半、ユーザーの購入履歴の膨大なデータをもとにおすすめを提案するレコメンド機能により大躍進を遂げていた。これを行うための大量のデータを保管するため大量のサーバーを設置した。ベゾスは1年の中でサーバー利用量の少ない時期に、これを他社にレンタルする事業を思いついた。それがAWS(Amazon Web Services)である。自社のサーバー群をビジネスとして貸し出した。利益を優先せず格安で貸し出したことや、さまざまな機能を公開して誰でも使えるように利便性を高めたことにより、AWSは成功を収めた。いまやネット社会で不可欠な存在となっている。その後、ライバル企業のGoogleやMicrosoftも独自のクラウドを展開し、クラウド戦国時代に突入している。クラウドはIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)の3つに分類できる。IaaSはサーバーなどインフラ機能だけを利用できるサービス。PaaSはアプリケーションを開発・稼働するためのプラットフォームを利用できるサービス。SaaSはクラウドにあるソフトウェアを利用できるサービス。こうしたサービスにより、アプリ事業者が中身の開発に専念できるような環境が整ってきたことが、クラウド業界が成長した大きな要因。アメリカではクラウドエンジニアという職業に注目が集まっている。世界で500万件のクラウド関連職のエンジニアが不足しており、需要に供給が追いついていないのが現状。クラウドエンジニアは要件定義(必要な機能などクライアントの要望をまとめる)、設計(安定して稼働するための全体像を決める)、システム構築(設計に従いプログラミングなどで機能を組み合わせて完成させる)などの仕事を行う。クラウドにより新たなアプリ開発が簡単になっている。また、生成AIなどの新技術との相性も良く、クラウド上のビッグデータを利用することで生成AIのさらなる進化が期待される。一方でクラウドには、情報漏洩などのリスクもある。暗号化によるアクセス制御などのセキュリティも重要。クラウドの利用者・事業者が一緒になって良い社会を作っていくことが望まれる。